Jun 17, 2009

The ghost dress...






私の一番大好きなアーティスト。
スーザン・チャンチオロ。
流れるまま、
ここNYで生きてみようと、
決めた理由の1つに彼女との出逢いがある。
と、言っても本人と出逢った訳ではなく・・・。
今から7年前。
美術手帖7月号。
『Reファッション ハンドメイドの革命』で、
スーザン・チャンチオロという人を知り、
彼女の作品、考え、視点、概念、
全てに共感するとともに、
全身が雷に打たれたような、
鳥肌が立ったのはもちろんのこと、
とにかく、
感動して、
生まれて初めて、
アートというものにピンときた。
それまで、
カッコ付けて、
美術館などで、
「この絵が素敵だ。」
「この人の作品が好きだ。たまらない。」
と知ったかぶって言っていた自分が、
恥ずかしくなりさえもした。
とにかく、そんな彼女との出逢いを経て、
彼女の作品に対する姿勢から多くのことを学んだ。
もう亡くなってしまった父方の祖母は、
洋裁や編み物が得意で、
私にブラウスや手編みのニットなどを作っては着せてくれた。
祖母の家に行くと、
ボタンやハギレ、裁縫セットが入った
クッキーのガンガン(缶)を眺めるのが大好きで、
「今度は、
このペンギンのボタンを使ってカーディガンを編んでね。」
とおねだりしたり、
リボンやワッペンをもらってきたり。
祖父の2番目の奥さんだということもあって、
全く血のつながりのない祖母だったけれど、
今の自分の作品作りの原点などを振り返ると、
彼女からの影響が多いにあると思う。
忘れもしない。
小学校の時のこと。
敬老の日に祖父母を学校に招待するイベントに、
トランプ柄のタイツで現れた祖母。
そして、
スーザンと通じるもの。
大量生産を拒否した手縫いの服作り、
廃棄された服の再利用、
何通りにも着られる服。
祖母が編んでくれた真っ赤なカーディガンが小さくなると、
その糸をほどき、
今度は真っ赤なベストを編み直してくれて、
残ったペンギンのボタンは、
祖母の形見となったツイードのジャケットに付けて、
私の大切なワードローブに。
(もちろんNYにも持参。)
いつも行くブルックリンの古着屋さんで、
このオバケワンピースに出逢った時のこと。
ラックの隅っこで、
申し訳なさそうに、
薄汚れて、
もうすでにヤブレカブレで・・・。
でも、私には、
キラキラと輝いて見えて。
驚いたことに、
試着しに行くと、
店員さん達が口を揃えて、
「素敵!!このワンピースどこにあったの?」
「あなた、コレ買うの?買わないなら私に譲って。」
などと言ってきて・・・(笑)
正直、
この先、着るかどうかは、さておき、
とにかく、
これは私が買わなくちゃ!と思えた。
ブランドタグはどこにもないけれど、
もしかしたらスーザンかしら?と、
ふと頭をよぎり、
そうじゃなくても、
このオバケワンピースを作った誰かと、
同じ街に住んでいるシアワセを、
嬉しく思う。

No comments: